真似ることから学ぶ ~当番活動の様子から~
2023.08.10
『学ぶという言葉の語源はまねる(真似ぶ)から生まれました。子どもが最もまねたい対象は自分より少し発達が上の子どもです。つまり子どもは子どもから最も多く学ぶのです。ここに保育の理由、保育環境があります』
ぶどう組(5歳児)の当番活動が始まって、お茶碗を運ぶ姿も板についてきました。お米を研いで茶碗に盛ってくれます。ぶどうさんが炊いてよそってくれたご飯は特に美味しく「ありがとう」「おいしいよ」と伝え合う姿が微笑ましいです。
給食が準備されたテーブルをみてりんご組(4歳児)、みかん組(3歳児)から「わあ、おいしそう」と歓声が上がります。用意してもらった食事をみんなで「いただきます」とテーブルに向かう子どもたちです。ぶどうさんの当番(お仕事)に感謝する一コマです。
夏プール遊びで疲れて、プール遊び後、早々に眠くなってしまうこともあり、もも組(2歳児)と早めの食事をとっているみかん組がいます。ひとつ大きいみかん組は、お姉さんらしくしっかり食べおかわりをして、箸使いにももさんのお手本になっていました。思いがけず一人早めの給食でしたが、こんな出会いの姿を見せてくれました。もも組が憧れる対象はすぐ上のみかん組です。
さて、最近始まった 4 歳児の当番活動、5歳児に教えてもらいながら取り組みます。エプロンのつけ方、お茶碗の持ち方もまだおぼつかないのですが「ぶどうさんみたいになりたい」気持ちが成長を支えています。
子どもたちは、身近な存在から学び、獲得し次に伝えることを日常の生活にしているのですね。それも保育園という場所が異年齢の伝えあいを豊かにしています。
「真似てみたい」気持ちは成長のスタートライン、そんな出会いを沢山させてあげたいです。
2020年1月新型コロナウイルスは、子どもたちの生活を大きく変えました。
キーワードは「三密」「ソーシャルディスタンス」感染拡大を防ぐために三つの密を避ける。(密集・密接・密閉)
2020 年度から感染防止の為に、子どもたちに体験させたい活動の自粛が行われました。給食は大人が配膳し、出来るだけ人の手に触れない配膳の配慮を行いました。
ソーシャルディスタンスは「感染予防の為に、人との距離を保ちましょう」という事。会話は極力慎み対面の食事をやめました。
乳幼児が生活する保育園です、全て完璧に「三密」「ソーシャルディスタンス」の実践が出来たわけでもないですが、子どもたちの活動に、「憧れ」や「お兄さん・お姉さんを真似てみる」機会を減らしたかもしれません。
新型コロナウイルスがインフルエンザと同じ扱いになりました。
子どもたちが沢山の憧れに出会う機会を作りたいものです。