子どもの体感は大人の6倍以上の長さ?
2024.01.10
年を取るにつれて一日、一年の時間間隔は年々早くなります。
もう新年の始まりかと思っている間に、年末を迎えてしまった感覚(分園長は~)に陥るのは高齢 になればなるほど体感します。 子ども時代 1 か月半の夏休みは、待ちくたびれたけど、夏休みの終わりに「長か ったな~」と思ったことはありませんか。年齢によって体感する時間には子ども と大人では違うようです。
人間の体感時間についての一定の法則が発案されたのは、以外にも遅く 19 世紀 に入ってからです。「ジャネーの法則」(心理学者)と呼ばれています。 この法則の中では人間の体感時間はそれまで生きてきた年齢に反比例すると考 えられています。
例えば、30 歳の人間にとって、1 年間というのはそれまで生きてきた 30 年の 内の 1 年ですから 30 分の1(1/30)人生のわずか3%少々という事になり ます。 ところが、5 歳の子どもにとっての 1 年間とは、人生 5 年間のうちの一年で、 人生の(1/5)20%を占めています。 つまり同じ「一年」「一日」「一時間」であっても、5 歳の子どもの体感時間は、 大人の 6 倍以上の長さであるという事になります。
日常、子どもたちとの付き合いの中で「ちょっと待ってて」とお願いしたのに「まだ?」「ねえ、早くしてー」と言われてしまい、イライラしてしまった経験はあ りませんか。「ほんの 10 分がなぜ待てないの」とついつい思ってしまいそうで すね。
上記の通り大人にとっての 10 分は子どもにとっての「1 時間以上」(6 倍以上)「子どもを 10 分待たせるのは大人を 1 時間以上待たせるのと同じ」と考える と、「ちょっと待ってて」も気軽には、お願いできません。 かつて子どもだった大人たちも、「大人の時間」になれるに従って、「子どもだっ た頃の時間間隔」を忘れてしまうもの。そしてついつい、子どもたちを「大人の 時間に合わせよう」とさせてしまうのです。
自分の 6 倍の濃密な時間を生きて いる」と感じれば、子どもとの接し方が変わってくる部分も多いはず。 今年は時間を丁寧に使いながら、やたらと「待ってて」を連発しない生活を送り たいものです。
また、子どもの「じっくり」にかかわって大人が「待つ子育て」を心がければ子 どもたちの「受け止めてもらった」安心感は大きな成長につながっていくもので しょう。日々の忙しさの中では中々待てないけど時々思い出して、「待っててく れてありがとう」と子どもたちに伝えて、待ち時間を短くする努力をしたいもの ですね。2024 年が実りある年になりますように。