12月「心のコントロール」
2020.12.14
近年、すぐにキレる子が多くなったという話をよく聞きます。
では、感情のコントロールを身に着けるためにはどうしたら良いのでしょうか?
保育園で行っている対応の一部をご紹介します。
先日、あるクラスを覗いてみるとタオルを引っ張り合いながら怒っているAくんとBくんがいました。近くにはそのタオルの持ち主であるCくんが泣いています。その部分だけ見ると、Cくんのタオルを取り上げ、引っ張り合いをしているAくんBくんに「なんでそんなことするの?かえしてあげて」と言ってしまいそうな場面ですが、そのやり取りには理由がありました。聞いてみると落ちていたタオルを見つけ届けてあげようとしたとの事。どちらが届けるかで引っ張り合いになってしまったのは残念ですが、落とし物を届けてあげようという優しい気持ちから始まったこと。まずはその優しい気持ちを褒めました。そしてもう一つそこに優しい気持ちが加わったら「二人で一緒に届ける」「もっていっていいよと相手に譲る」という選択肢も増えてきます。褒められたことでキョトンとしていたAくんBくんもその後はお互いに「ごめんね」と言ってCくんにタオルを無事届けることが出来ました。これは保育士が促すことなく、子どもたちが判断した行動です。思いやりの気持ちを一つ習得した瞬間を見るたび、ほっこりした気持ちになりますね。
感情をコントロールできるようになるためには、周りの大人が子どもの怒りを否定しないであげることも大切だと思います。怒りや不満といった、一見マイナスの感情も悪い事ではなく、大切な感情です。それを悪い事だ、恥ずかしい事だと否定してしまうと素直に感情を表現することが出来なくなってしまい、喜怒哀楽を我慢したり、自分の感情が分からなくなってしまうこともあります。そうすることによって抑えられた怒りの感情が「たたく」「物を投げる」「蹴とばす」「叫ぶ」などの不適切な表現方法へと繋がってしまうこともあります。保育園では、子どもたちの感情が高ぶってしまいそうになる時、その時の気持ちを言葉で代弁し、子ども自身が自分の気持ちに気が付くことが出来るように「そうか、これは嫌だったね」「悲しかったね」など、子どもの気持ちに寄り添う声掛けを行っています。
このような行動を周囲がとることで、 怒りの感情だけではなく、「寂しい」「悲しい」「悔しい」など他にも感情の表現があることに気がついていきます。
また、 子どもの感情を受け止め、認めてあげる一方で、「たたく」「物を投げる」などの不適切な行動についてはいけないことだとしっかりと伝えてあげることも大切ですね。
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