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社会福祉法人 ナオミの会 上北台こひつじ保育園

9月 「カブトムシの割り出し」

2021.10.05

秋分の日も過ぎ、すっかり秋らしくなってきました。
 夏のはじめ元気に活動していた5歳児クラスのカブトムシも、夏の終わりとともに弱っていき、止まり木から転がり落ちてしまうことが多くなりました。それを見つけた子どもたちが「あ、カブトムシがひっくり返っている。」と言って大事そうに拾い上げ、止まり木に乗せようとしましたが、何度乗せてもすぐに落ちてしまいます。「カブトムシももう年を取って、木につかまる力が無くなったのね。このまま土の上に置いてあげよう。」と声を掛けると、寂しそうに土の上に置き、じっと見つめていました。幼虫の時から世話をしていたカブトムシとのお別れが近づいたことを知って、みんな少ししんみりしてしまいました。
 でもお別れの後は悲しいだけではありません。カブトムシがいなくなってしばらくしてからケースの中を覗いてみると、ケースの下の方に大分大きくなった幼虫の姿が見えました。そこで子どもたちと一緒に幼虫の割り出しをすることにしました。「何匹いると思う?」と聞くと、「5匹!」「7匹!」「10匹!」と子どもたちのわくわくした声が上がりました。「じゃあ、調べてみよう。」と言って、割り出してみると、17匹の幼虫が出てきました。既に3齢幼虫になっているものもいました。グループごとに子どもたちを呼んで一緒に観察すると、半分以上の子が手を出して幼虫を手のひらに乗せていました。手には乗せないまでも「怖い」と言って近寄らない子は一人もいません。外でいきなり幼虫を見ると「気持ち悪い」と感じることも多いと思いますが、「ずっと飼育していたカブトムシの子ども」と思うと愛情もわくようです。「かわいい!」と言って大喜びする姿はとても素敵でした。ひとしきり幼虫を観察してから、また土の上に乗せて幼虫の「もぐり競争」を見ました。「どの子がいちばん最初にもぐるかな?」「この子!」「私はこの子!」と盛り上がっているうちに、幼虫たちは土の中にもぐっていきました。
 生き物を大切に育て、一つの命を見送った後に新しい命の誕生を喜ぶという貴重な経験を通して、子どもたちはまた少し成長したようです。
 ※カブトムシ飼育の「割り出し」とは、産卵マットなどの中身を確認し、幼虫の数を調べることです。

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