写真を整理していたら、セピア色のナオミ保育園の写真が出てきました。写真には、笑顔の菊田先生が子どもたちと一緒に写り、みんなを見守ってくれているようでした。この笑顔こそが、ナオミ設立にかけた意気込みが昭和29年に結実し、初めての卒園生を送り出すことでの自信と期待を表したものに相違ありません。それから60有余年を経て、地域の子育ての拠点として揺るぎないものになっているのは、嬉しい限りです。
地元の会合で、意外な方がナオミ出身ということを聞いて、「実は私もナオミ出身の1期生です」と紹介すると、急に壁が取り払われるような感じがします。小学校に上る前のことなど、ほとんど記憶がないのに、なぜかナオミで過ごしたことが意識の底に残っているのは、多くの子どもたちの中でもまれて過ごしてきたことが体験としてあるからだと思います。乳児から幼児、年少から年長までの園児たちが、一緒の空間の中で泣いたり笑ったり、冒険したりすることで育まれた様々な体験が、元気な子どもを育んだのでしょう。
そんなナオミが、菊田先生の掲げたトーチを次々にリレーでつなぎ、これから100周年、150周年を祝えるよう、地域の中で存在し続けていって欲しいものです。そのためには、ナオミの卒園生を結ぶネットワークをしっかりと構築し、リレー競技に参加する園児や先生方、父兄の方々をサポートすることで少しでもお役に立てればと思います。
ナオミ保育園卒業 第1期生 高橋裕二